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Cassina(カッシーナ) HILL HOUSE 1

「Cassina(カッシーナ)」が世界のトップブランドになるまで

Cassina(カッシーナ)は教会の木製家具を製造していたカッシーナ兄弟により、1927年にミラノ(イタリア)で設立されました。
当時のヨーロッパの家具業界は手工業から工業化へ移行する最中で、Cassina(カッシーナ)は外部の建築家やデザイナーとのコラボレーションを業界に先駆けて始めたブランドになります。
1950年に「イタリア建築デザインの父」と称されるジオ ポンティとの豪華客船「アンドレア・ドリア号」のインテリアでのコラボレーションが成功したことは、Cassina(カッシーナ)の知名度を大きく上げるきっかけとなりました。
デザイン性が高い家具を確かな技術で工業生産できるブランドとして変化を遂げたCassinaは、以後、21世紀の現在に至るまで著名なデザイナーや建築家とコラボし、ひときわ高いデザインセンスを発揮した作品を次々と発表し続けています。
その多くの作品はニューヨーク近代美術館に収蔵されるなど、憧れの家具ブランドとして世界中の多くのファンを魅了し続けています。

時代に応じたデザインと技術の進歩を繰り返すCassina(カッシーナ)ブランドには、特色の異なる3つのラインが存在します。
近代建築の巨匠たちによる「イ・マエストリ」は歴史的な名作が多く、ル・コルビュジエやフランク・ロイド・ライトなどのデザインを堪能できます。

アール・ヌーヴォーより世紀を超えて愛される名作椅子『Hill House 1』

19世紀末から20世紀初頭にかけイギリスの「アーツ・アンド・クラフツ運動」に端を発し、ヨーロッパ各国で広がりを見せたアール・ヌーヴォー。それは、産業革命により大量に工業生産された家具などを憂い、芸術家や職人の感性や技術を重んじたデザインで実用性の高いものを社会に送り出すことを目的としていました。

1902年に発表された『Hill House 1』はそんなアール・ヌーヴォの先駆けである「アーツ・アンド・クラフツ運動」の中心人物であったチャールズ・レニー・マッキントッシュの代表作であり、今もなお時代を超えて芸術品としても愛される名作椅子です。

この椅子の名前は、建築家としての顔も持つマッキントッシュが設計したスコットランド(イギリス)の住宅である、『Hill House』プロジェクトに由来します。後に彼の傑作として評価されることとなる『Hill House』は、家具に留まらず付属の建物や門扉の細部に至るまでデザインされた統一感のある美しい名作建築です。

『Hill House 1』のオリジナル作品は現在も『Hill House』の寝室にレイアウトされており、その直線的で幾何学的なフォルムは複雑なインテリア空間に優雅な視覚的インパクトを与えています。

上部は格子、下部ははしご状に組まれ、どこか日本的な造形を感じさせる高い背もたれが印象的な『Hill House 1』。製作当時にヨーロッパで流行していたジャポニズムの影響を受けており、椅子としての役割だけでなく芸術品として鑑賞を楽しむことを意図されたデザインでもあります。

カッシーナはこの歴史的名作を、世界でも有数の高級家具産地であるブリアンツァ地方(イタリア)にあるメダ社の優れた家具職人の技術を用い、1973年に復刻しました。

高さが140cmになる背もたれやフレームにはブラック染色のアッシュ材を用い、座面はオイルグリーン又はラベンダー色の高級ベルベットで仕上げ、ニューヨーク近代美術館にも所蔵される『Hill House 1』の芸術性をそのまま再現しています。

晩年は画家としても活躍したマッキントッシュの繊細な表現力が正確に反映された『Hill House 1』は、レイアウトするだけで洗練されたインテリアや趣向を凝らしたオリジナル空間の芸術性を高める、時代を超えて引き継がれる逸品です。

スコットランドの誇る巨匠でありアール・ヌーヴォーの先駆者
CHARLES RENNIE MACKINTOSH

チャールズ・レニー・マッキントッシュ
(Charles Rennie Mackintosh / 1868~1928)

1868年、グラスゴー(スコットランド)生まれ。建築家、デザイナー、画家。
1889年にグラスゴーの建築家ジョン・ハッチソンの下に弟子入りすると同時に、グラスゴー美術学校の夜間部にデザインとアートを学ぶため入学。同校で後の妻で生涯の仕事のパートナーともなるマーガレット・マクドナルドと、彼女の妹であるフランセス・マクドナルド、ハーバード・マックニーとの運命的な出会いを果たす。マッキントッシュを含めたこの4人は「The Four」というグループを結成し、グラスゴー以外にもロンドンやウィーンなどで展覧会を開催。

産業革命で人気を得た工業製品に対して、伝統的なデザインや職人技術を自由に新しく解釈した芸術性の高い作品を発表し続け、ヨーロッパ各地のアール・ヌーヴォー運動に影響を与える。建築家の代表作としてグラスゴー美術学校(1899)、ウィロー・ティールーム(1903)などがある。いずれも建築だけでなく、家具、付属品に至るまでのデザインを手掛けた作品の数々は、現代においても圧倒的な才能を感じさせるものばかりだ。