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冨士ファニチア nagi(ナギ)チェア

1959、日本産まれ。
老舗と呼ばれる今でも「常識を疑え」を社是に掲げるブランド

「高級家具ブランド」というと、海外の有名家具ブランドを思い浮かべる人も多いことでしょう。
多くのデザイナーとコラボした家具を打ち出すカッシーナ、モダンデザインの王道の家具を打ち出すフレックスフォルム、高い木材加工技術を有するポラダ……
これらはいずれも非常にすばらしい魅力を持つ家具ブランドであり、押しも押されもせぬ人気家具ブランドでもあります。

しかし、高級家具ブランドは海外にだけ存在するものではなく、また使い勝手がよく美しい家具は海外でだけ生産されるものではありません。日本国内にもすばらしい家具ブランドは、多く存在します。

そのうちのひとつが、「富士ファニチア」です。

富士ファニチアは、1959年に日本の徳島で設立した家具ブランドです。ちなみに、日本で初めて本革張りのソファを作り上げた雄は、この冨士ファニチアです。

今から60年ほども前に設立したこの会社は、時代とともに成長し、1985年には総合家具メーカーとなります。
そして1988年には過去最高の売り上げを記録しましたが、彼らはその状態に甘んじることなく、新しい姿勢を模索していきました。
2017年には海外への輸出を行うようになり、2021年には新しいシリーズも発表することになります。
なお、2010年にはオリジナルブランドを完全受注生産とし、「お客様お一人おひとりのためだけの家具」「お客様が本当に必要とする家具」のみを打ち出すことにした会社でもあります。

「老舗」と呼ばれるようになってなお、新しいスタイルを模索し続ける富士ファニチアの姿は、富士ファニチア自身の社是である「常識を疑え」と通じるものがあるのかもしれません。
彼らは、旧来の常識を疑い、凝り固まった思想にとらわれず、常に新しい価値を探し続けてきました。
このような姿勢を、富士ファニチア自身は「新しい価値観を生み出すためには破壊が必要であり、そしてその破壊と創造を繰り返して富士ファニチアの家具が生まれる」としています。
そしてその「創造のための破壊」の結果として彼らが目指すのは、“冨士ファニチアに関わる全ての人を「人生の主人公」にする―(引用:冨士ファニチア「冨士ファニチアについて」https://fuji-furniture.jp/“)ことです。

冨士ファニチアの代名詞「成形」を活かして作られる家具

冨士ファニチアの作り出す家具を語るうえで、必ず取り上げなければならないものとして「成型合板技術」があります。

これは、冨士ファニチアを冨士ファニチア足らしめるキーワードといっても差し支えのないものです。

成型合板技術とは、非常に薄く切った木材(「単板」といいます)を1枚ずつ重ねて、接着したり圧着したりすることで加工していく技術をいいます。

成型合板技術によって生み出された木材は、柔らかい曲線を持ちます。この「柔らかい曲線」は、切り出したままの木だけでは作り上げることのできないものですから、木材加工技術としての成型合板技術は家具作りにおいて非常に大きな意味を持ちます。

また成型合板技術で作り上げられた素材は、ゆがみなどが出にくく、そのうえ丈夫で軽いという特徴を持ちます。このような特徴は、特に「椅子づくり」「机づくり」において好まれるため、数多くの椅子・机に利用されてきました。

成型合板技術の歴史は非常に古く、1920年代にはすでに使われていたといわれています。
日本に限らず、古今東西いずれの場所でも用いられてきた手法ではありますが、日本に取り入れられたのは1947年のころでした。

長い歴史を持つなかで洗練されてきた成型合板技術は、それでも、素材一つひとつの特性を知り、また加工する時期の気温や湿度を知り、そしてそれを正確に成果物に落とし込めるだけの技量がなければ使いこなすことはできません。
このような条件をクリアした成型合板技術を持つのが、冨士ファニチアなのです。

冨士ファニチアの成型合板技術によって生み出された家具は、皮張り前の段階からしてすでに、独特のばねを持っています。
成型合板技術によって生み出された自然なしなりが、人の体重を柔らかく受け止めてくれるのです。

「成型合板技術によって生み出された家具は、ゆがみが出にくい」とすでに述べましたが、「ゆがみではない、自然でしなやかなしなり」を出せるのは、この技術ならではの特徴だといえるでしょう。

冨士ファニチアは数多くのラインアップを打ち出していますが、彼らの打ち出すソファのなかでもっとも人気なのは、この成型合板技術を使ったものです。
このことからも、冨士ファニチアの持つ成型合板技術がいかに高いレベルにあるのかが分かるでしょう。

冨士ファニチアの家具は、時に愛らしく、時に貫録を持ち、時に優美で、時に穏やかです。
高レベルの成型合板技術を利用して生み出される数多くの家具は、いつも見る人を魅了し続けています。

冨士ファニチアのnagiシリーズと、そこに込められた思い

冨士ファニチアは、ほかの家具ブランドと同じく、いくつかのラインを展開しています(2022年3月中旬現在は、15のラインが展開されています)。そしてそのなかのひとつに、「nagiシリーズ」があります。

nagiは、「凪」から来ています。「風のない穏やかな水面」を表す美しい日本語であるこの言葉を名前に冠されたnagiシリーズは、冨士ファニチアの「使う人にとって、気持ちを静め、落ち着ける場所でありたい」という願いによってつくりあげられています。
平和で穏やかで優しく、平穏な時間をもたらすようにと考えて作られているnagiシリーズは、使う人にとっても見る人にとっても、非常に「柔らかい」家具だといえるでしょう。

このnagiシリーズは展開も多く、ソファやテーブル、椅子などのラインアップがそろっています。
サイドテーブルやスツールもそろっています。特にアームチェアの場合、このカテゴリーだけで4つの種類があります。
ただ今回はそのなかから、「D04540」と「D04541」の2つを取り上げます。

この2つは、いずれも、ウォールナットを使って作り上げられているアームチェアです。ただし「D04540」の方はオイル調革を使っておらず、「D04541」はこれを使っているという違いはあります。

どちらのアームチェアも、冨士ファニチアの得意とする成型合板技術を利用して作り上げられています。
この成型合板技術によって作られた緩やかで柔らかで肌なじみも良い曲線は、かわいらしい丸みをも作り出しています。
脚も、ころっとした優しい曲線を持ち、子どものような無垢さを感じさせるデザインとなっています。
しなやかで滑らか、柔軟性の高いデザインで、人の心をほっとさせる優しさに満ちています。

成型合板技術が「人の体重を柔らかく受け止める力を持つもの」であることは、すでに触れた通りです。
これは、当然冨士ファニチアのnagiシリーズのアームチェアにも存分に生かされています。
アームチェアなどの椅子に長時間腰かけた経験のある人ならば、多かれ少なかれ、「腰の痛み」「座りにくさ」に悩まされたことがあるのではないでしょうか。
しかし冨士ファニチアのこのnagiシリーズのアームチェアの場合は、このような欠点もありません。
卓抜した成型合板技術によって生み出された独特のしなりが体を優しく受け止め、上質なソファに座っているときのような快適な時間を生み出してくれるからです。
「長く使うものだからこそ、良いものを」
「家族みんなで集まる場所で使う椅子だからこそ、長く会話を楽しめる椅子を」
「お客様にもおすすめする椅子だから、快適に過ごしてもらえる椅子を」
と考えている人にとっては、非常に心強い味方となるでしょう。

この暖かいアームチェアを語るとき、人はしばしば、その曲線の美しさや座り心地の良さのみを話題として選んでしまいます。しかしこの製品をより深く知るうえでは、「肘置き」にも注目した方が良いでしょう。
このシリーズのアームチェアの肘置きは、手によくなじみ、自然に腕を受け止めてくれます。
また立ち上がるときにもホールドしやすい形状となっているため、しっかりと握りこむことができ、安全に立ち上がることができます。
普段はあまり話題に上らない部分ではありますが、このように繊細でこまやかな心配りは、多くの世代の人が集うダイニングに使われる椅子としてふさわしいものだといえるでしょう。

なお、冨士ファニチアのnagiシリーズのアームチェアは、オイル塗装やウレタン塗装などに数多くのバリエーションがあります。
お好みのデザイン・カラー・仕様をお選びいただけます。※詳しくはお問い合わせください。

デザイナー小林幹也:「突然の出会い」からデザイナーを志した

小林幹也氏は、1981年に日本の東京で生まれました。書道を愛する少年だった彼は、18の年までまったくデザインの仕事に興味がなかったといいます。
しかし高校3年生のときに本屋で出会った1冊の雑誌に取り上げられていた「椅子」を見て、その美しさに惹かれてデザイナーの道を歩き始めます。
「人が寛げる家具を」「見えない部分も美しく」「人の暮らしになじむデザインを」を意識して作り上げる彼の家具は、非常に柔和ですなおで、リラックスした雰囲気を持ちます。

使う人に対して非常に「親切な」デザインであることは、nagiシリーズのアームチェアの肘置きの形状からも分かります。
その手腕は国内外から高く評価され、adc 賞(日本)、iF product design award(ドイツ)、ミラノサローネサテリテ(イタリア)などで輝かしい成績を残しています。