カッシーナ(Cassina)は、20世紀を代表するイタリア家具ブランドの一つで、1927年に北イタリア・メダで創業した名門メーカーです。ル・コルビュジエ、ジオ・ポンティ、マリオ・ベリーニ、フィリップ・スタルク、パトリシア・ウルキオラなど、20世紀から21世紀までの巨匠デザイナーの作品を世に送り出してきた、まさに「家具の歴史そのもの」と言える存在です。
私は中津家具の代表として、2003年からヨーロッパより家具を輸入してきました。年に複数回イタリアを訪問し、様々な工場やショールームを見続ける中で確信したことは、「カッシーナを語るには、家具を見るだけでは足りない。デザイナーの哲学・工房の歴史・素材の物語を全て知って初めて、その価値が腑に落ちる」ということです。
本記事では、カッシーナの歴史から代表モデル、選び方、メンテナンスまで、1957年から家具を専門に扱ってきたリアルな視点で徹底解説します。これからカッシーナを購入される方、すでにお持ちの方、デザインの歴史に興味がある方すべてに役立つ完全ガイドです。
当店で扱うカッシーナの主なモデルは、日本市場参考価格つきでカッシーナ(Cassina)の家具・ソファ一覧にまとめています。
この記事の目次
この記事で紹介しているカッシーナのソファ
当店では50点を掲載しています。気になるモデルの総額を、配送・組立込みでお出しします。
507 SOFT CORNERS
568 MONCLOUD
514 REFOLO(レフォロ ソファ)
参考価格は日本市場参考価格(2026年10月1日時点の当店掲載)。販売価格は、配送・組立を含めた総額でお見積もりします。品番が分からなくても大丈夫です。通常2営業日以内にご返信します。
カッシーナ 代表モデル早見表
| モデル | デザイナー | タイプ | 特徴 |
|---|---|---|---|
| マラルンガ(675) | ヴィコ・マジストレッティ | ソファ | 1973年。背もたれ上部の高さを変えられる名作。1979年コンパッソ・ドーロ賞 |
| LC2 / LC3 / LC4 | ル・コルビュジエ 他 | 椅子・ソファ | 1920年代のデザイン(LC4は1928年)。1965年からカッシーナが生産 |
| キャブ(Cab)412 | マリオ・ベリーニ | チェア | 1977年。スチール骨組を本革で包んだ椅子 |
| スーパーレジェーラ(699) | ジオ・ポンティ | チェア | 1957年。重さ約1.7kgの木の椅子 |
カッシーナの価格帯|掲載178点の日本市場参考価格
カッシーナの価格は14万円〜590万円、中央値は110万円です。 これは中津家具が実際に掲載している192点のうち、価格を公開している178点の日本市場参考価格を集計したものです。 実際の販売価格は、商品代・配送料・組立費を含めた総額でお見積もりします。同じモデルでもサイズ・張地グレード・仕上げによって変わります。
| カテゴリ | 掲載点数 | 価格帯 | 中央値 |
|---|---|---|---|
| チェア | 53点 | 14万円〜230万円 | 69万円 |
| ソファ | 42点 | 59万円〜590万円 | 240万円 |
| コーヒーテーブル | 29点 | 21万円〜370万円 | 88万円 |
| テーブル | 24点 | 100万円〜580万円 | 220万円 |
| スツール | 7点 | 21万円〜70万円 | 45万円 |
| ボード | 6点 | 120万円〜400万円 | 290万円 |
| ベッド | 6点 | 110万円〜460万円 | 260万円 |
| アクセサリ | 6点 | 15万円〜310万円 | 64万円 |
価格の上限帯にあたる実例です。
- 514 REFOLO(レフォロ ソファ) — 5,852,000円
- SARPI OFFICE PRO — 5,764,000円
- 565 SENGU BOLD — 4,609,000円
掲載していないモデル・サイズ・張地もお取り寄せできます。
▶ カッシーナ(Cassina)の家具・ソファ一覧を見る
お見積もり(無料・2営業日以内に回答)では、商品代・配送料・組立費を含む総額をご案内します。
カッシーナのソファがなぜ高いのか(価格の中身)と、マラルンガ・LC2・LC3・キャブなどモデル別の参考価格は、「【2026年版】カッシーナの価格ガイド|ソファはなぜ高い?モデル別の参考価格一覧」にまとめています。
カッシーナとは — 1927年メダで生まれた名門ブランド
カッシーナは1927年、イタリア・ロンバルディア州メダ(Meda)で、チェザーレ&ウンベルト・カッシーナ兄弟によって創業されました。メダはミラノの北、ブリアンツァ地方にあります。兄弟は「アメデオ・カッシーナ」社として創業し、1935年に社名を「フィーリ・ディ・アメデオ・カッシーナ」に改めました。当初は主に木工でテーブル類をつくり、デザインも社内で行っていました。
戦後の1948年、カッシーナはデザインと製造を分け、社外の建築家・デザイナーとの協働に舵を切りました。とくにジオ・ポンティと深く組み、1952年にはポンティとともにイタリアの大西洋航路客船「アンドレア・ドーリア号」の内装を手がけ、大口の契約(コントラクト)市場に乗り出しました。
1957年に生産を始めたジオ・ポンティの『スーパーレジェーラ(Superleggera)699』は、1952年の『レッジェーラ』をさらに軽くした椅子で、重さはわずか1.7kgながら丈夫で、イタリアデザインのアイコンになりました。続く1973年にはヴィコ・マジストレッティの『マラルンガ(675)』が発表されます。背もたれ上部の高さを変えられる仕組みを持つソファで、1979年にコンパッソ・ドーロ賞を受け、今もカッシーナのベストセラーです。
カッシーナの哲学 — 巨匠デザイナーとの長期コラボレーション
カッシーナの独自性は、世代を超えた巨匠デザイナーとの長期的なコラボレーションにあります。たとえばマジストレッティは1960年からカッシーナのためにデザインし、フィリップ・スタルクとの協働は1994年に始まり、2024年に30周年を迎えました。
マリオ・ベリーニ(Mario Bellini)
イタリアの建築家・デザイナー。カッシーナでは『キャブ(412)』(1977年)が代表作です。コンパッソ・ドーロ賞を8回受け、作品25点がニューヨーク近代美術館(MoMA)の永久コレクションに入っています(カッシーナ公式の紹介)。建築では東京・五反田の東京デザインセンター(1992年竣工)も設計しました。
パトリシア・ウルキオラ(Patricia Urquiola)
スペイン・オビエド生まれ、ミラノを拠点とするデザイナー。2015年9月にカッシーナのアートディレクターに就任しました。カッシーナでは『セングウ(SENGU)』ソファ(2020年)、『バックウィング(Back-Wing)』チェア(2018年)、『モン クラウド(Mon-Cloud)』ソファ(2023年)などを手がけています。
フィリップ・スタルク(Philippe Starck)
フランスのデザイナー。カッシーナとの協働は1994年に始まりました。代表作は『プリヴェ(Privé)』(2007年)、『ヴォラージュ エクストラソフト(Volage EX-S)』(2016年)、『ミスター(Mister)』など。
ピエロ・リッソーニ(Piero Lissoni)
ミラノとニューヨークに事務所を持つ建築家・デザイナー。カッシーナでは『メット(Met)』ソファ(1996年)、『メックス キューブ(Mex Cube)』(2007年)、『8(オット)』(2014年)などを手がけています。
ロドルフォ・ドルドーニ(Rodolfo Dordoni)
1954年生まれ、ミラノ工科大学で建築を学んだデザイナー。カッシーナでは『ドレス アップ!(Dress-Up!)』ソファ(2019年)、『ボボリ(Boboli)』テーブル(2016年)、『アキュート(Acute)』ベッド(2020年)などを手がけています。
カッシーナを代表する10モデル
カッシーナの代表モデルを、私が2003年から扱ってきた経験からピックアップしました。いずれも、2026年10月時点でカッシーナの公式サイトに掲載のあるモデルです。
1. マラルンガ(Maralunga)675 — Vico Magistretti, 1973年

カッシーナのベストセラー。背もたれ上部(ヘッドレスト)を、自転車のチェーンを使った機構で上げ下げできます。低い位置は会話向き、高い位置はくつろぎ向きで、この機構はカッシーナの特許です。1979年にコンパッソ・ドーロ賞を受けています。
2. LC2 / LC3 / LC4 — Le Corbusier, Pierre Jeanneret, Charlotte Perriand, 1920年代(LC4は1928年)

ル・コルビュジエ、ピエール・ジャンヌレ、シャルロット・ペリアンの3人による家具です。LC2(グラン コンフォール)は1929年のパリのサロン・ドートンヌで展示され、LC4(シェーズロング)は1928年のデザインです。カッシーナは1965年に、この3人による最初の4モデルの量産を始めました。金属のフレームとクッションを分けたつくりが特徴で、LC2には1人掛・2人掛・3人掛があります。
3. キャブ(Cab)412 — Mario Bellini, 1977年

マリオ・ベリーニが1977年にデザインした椅子です。鞍革(サドルレザー)16枚のパーツを14の工程で仕立て、スチールの骨組みにかぶせてジッパーで留めます。カッシーナは「革だけで自立する構造を持つ初めての椅子」と説明しています。
4. スーパーレジェーラ(Superleggera)699 — Gio Ponti, 1957年

ジオ・ポンティがデザインし、1957年にカッシーナが生産を始めた木の椅子です。脚の断面はわずか18mm、重さは約1.7kg。フレームにはしなやかなアッシュ材、座枠には目の詰んだブナ材を使い、座は手編みです。リグーリア州キアーヴァリの椅子づくりの伝統を下敷きにしています。
5. プリヴェ(Privé) — Philippe Starck, 2007年

フィリップ・スタルクが2007年にデザインしたソファとアームチェアです。座・背・肘のすべてを革で張り、ボタン留め(キャピトネ)で仕上げます。ボタンの取り付け技術はカッシーナの国際特許です。
6. 8(オット) — Piero Lissoni, 2014年
押出成形のアルミのベースに長さの違う要素を組み合わせ、さまざまな形にできるモジュール式のソファです。形はミニマルで、張地はパネル中央の開口部に手作業で差し込まれます。
👉 8(オット)の商品ページ
7. ソリアナ(Soriana) — Afra & Tobia Scarpa, 1969年
アフラ&トビア・スカルパ夫妻が1969年にデザインしたソファです。内側に骨組みを持たず、外から包む金属の構造がクッションをつかんで形を保ちます。1970年にコンパッソ・ドーロ賞を受け、2021年にカッシーナが復刻しました。
👉 ソリアナの商品ページ
8. レディ(Lady) — Marco Zanuso, 1951年
1951年の第9回ミラノ・トリエンナーレで発表され、メダリア・ドーロを受けたラウンジチェアです。部分ごとにパッドの硬さを変えて、座り心地を整えています。
👉 レディ(2人掛)の商品ページ
9. セングウ(SENGU) — Patricia Urquiola, 2020年
ゆったりした大きさのセクショナルソファです。スチールのフレームとベルトを2本の木の梁で仕上げ、日本を感じさせるつくりにしています。カッシーナはセングウのシリーズを日本の神社の儀式的な建て替えに着想を得たと説明し、カッシーナ・イクスシーはこれを「遷宮」と紹介しています。
👉 セングウの商品ページ
10. ドレス アップ!(Dress-Up!) — Rodolfo Dordoni, 2019年
オーダーメイドの服のように構想したセクショナルソファです。背と肘の縫い目からソファの下までジッパーが走り、座クッションの周りはグログランのパイピングで縁取られています。
👉 ドレス アップ!の商品ページ
▶ Cassina の価格・納期を問い合わせる(無料・2営業日以内に回答)
椅子・チェアの名作は、カッシーナの椅子・チェア 完全ガイド(名作6選と用途別の選び方)で詳しくまとめています。
"I Maestri"コレクションとル・コルビュジエ
カッシーナを語る上で欠かせないのが、"I Maestri(イ・マエストリ=巨匠たち)"コレクションの存在です。作者の権利を守る遺族や財団と協力し、歴史的に正確な調査にもとづいて復刻しているシリーズです。始まりは1965年、ル・コルビュジエ、ジャンヌレ、ペリアンによる最初の4モデルの量産で、コレクションとしては1973年に正式に誕生しました(2023年に50周年)。現在は以下の巨匠の作品が含まれています。
- ル・コルビュジエ、ピエール・ジャンヌレ、シャルロット・ペリアン — LC1〜LC4、Petit Modèle、Grand Confort、Chaise Longue など
- ヘーリット・トーマス・リートフェルト — レッド&ブルー チェア(1918年)、ジグザグ チェア(1934年)など
- シャルロット・ペリアン(個人作) — タブレ・ベルジェ(1953年)、ニュアージュ本棚(1952年)など
- フランコ・アルビーニ — カヴァレット テーブル、インフィニート 本棚など
- チャールズ・レニー・マッキントッシュ — ヒルハウス1(スコットランドの邸宅ヒルハウスのためにデザインされた椅子)など
- マルコ・ザヌーゾ — レディ(1951年)など
カッシーナの素材と工房 — ブリアンツァの伝統
スーパーレジェーラやヒルハウス1は、メダの職人の技でつくられていると公式に説明されています。
使用素材の特徴
- 革 — キャブや、LC4の一部の仕様には、厚みのある鞍革(サドルレザー)が使われています
- スチール フレーム — LCシリーズのフレームはスチールパイプで、クロムめっきか塗装で仕上げます
- ファブリック — 張地はカッシーナのコレクションの革とファブリックから選べます
カッシーナを購入する前に知っておきたい5つのこと
2003年からカッシーナをはじめイタリア家具を扱ってきた中で、お客様によくお話する5つの大切なポイントをまとめました。これからカッシーナを検討される方は、ぜひ参考にしてください。
- 必ず実物に座って体感する — マラルンガの可動式背もたれ、LC2 のクッションの沈み込み、Cab412 の革張りの感触は、写真では絶対に伝わりません。お客様には「最低30分はゆったり座って体感していただく」ことをお勧めしています。気になるモデルがあれば、お気軽にご相談ください。
- 素材選びは慎重に — Cassina は革・ファブリックから張地を選べます。同じマラルンガでも素材によって雰囲気が全く変わります。サンプルを取り寄せて実際の照明下で確認することをお勧めします。生地サンプルのお取り寄せも承っています。
- 納期はご注文後7〜8か月が目安 — 当店掲載のカッシーナは、この期間をご案内しています。新居への引っ越しに合わせる場合は、入居予定の8か月前にはご注文いただくと安心です。
- 本国イタリアからの輸入という強み — 中津家具は2003年からヨーロッパより家具を輸入してきました。年に複数回イタリアを訪問し、様々な工場やショールームを見続けてきた経験から、本物の Made in Italy をお届けします。30年使う家具だからこそ、信頼できる輸入ルートからの購入を強くお勧めします。
- 搬入経路を必ず事前確認 — 当店掲載のマラルンガ3人掛(675 03)は幅238cm、LC3は奥行73cmなど、Cassina の家具は欧州サイズ基準で大きめです。階段・エレベーター・玄関の幅員を事前に確認することが重要です。搬入経路の写真をお送りいただければ、事前に判断します。
中津家具で扱うカッシーナ — 2003年からイタリアより買い付け
中津家具は2003年からヨーロッパより家具を輸入してきました。大分県中津市に床面積5,290㎡の本店を構え、東京・青山にも完全予約制のオフィスを持っています。1957年創業以来、家具を専門に扱ってきた経験と、年に複数回イタリアを訪問し様々な工場・ショールームを見続けてきたバイヤー視点で、お客様一人ひとりに最適な一脚をご提案しています。
また、Cassina の納期管理・素材選定・搬入経路調査・既存家具との組み合わせ提案など、購入前から納品後までトータルでサポートします。納品後のお手入れや修理のご相談は、カッシーナのメンテナンス・修理のご相談でも承っています。
他店でご購入のカッシーナも、修理・メンテナンスのご相談を承っています。長く使うことが家具の本当の価値を引き出す — これが中津家具の信念です。
カッシーナの代表モデルやコレクションをもっと知りたい方は、カッシーナ(Cassina)の家具・ソファ一覧ページもぜひご覧ください。
よくある質問
お見積もりは3ステップです
- 1品番か写真を送る品番が分からなくても、商品ページのURLや写真で大丈夫です
- 2通常2営業日以内に総額商品代・配送料・組立費を含む総額をお送りします
- 3実物は東京・中津で東京事務所(青山・予約制)と中津本店でご覧いただけます。展示の有無は商品により異なります
お電話 0120-211-390(通話無料・受付 10:00〜18:00)でも承ります。
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