「壁一面のクローゼットを、この壁にぴったり入れたい」——家具を探していて、この壁だけが最後まで決まらない。そういうご相談を、私たちは本当によく受けます。既製品のサイズは大抵、実際の壁に対して数センチ足りないか、数センチ余るからです。
LEMA(レマ)というブランドは、まさにこの数センチのために存在していると言っていい会社です。代表作の名前が、そのまま答えになっています。「Armadio al Centimetro」——1センチ単位のワードローブ。1981年から続く、この一点で知られてきました。
この記事では、年に複数回イタリアに通ってきた立場から、LEMAが何をつくる会社なのか、そして収納をLEMAで考えるとき何を確認すべきかを整理してお伝えします。
1. LEMAとは — 1970年、ブリアンツァのメローニ家から
LEMA(レマ)は、1970年にMeroni(メローニ)家が設立したイタリアの家具ブランドです。ただし、家具づくりそのものはもっと前から始まっています。前史として、1930年代にAngelo Meroniがアロージオで工房を開いていました。工房から会社へ、という流れをたどったブランドです。
拠点と規模
- 本社:Alzate Brianza(コモ県)
- 第2工場:Giussano(モンツァ・ブリアンツァ県)
- 2拠点あわせて55,000㎡、従業員250名超
- 65カ国・約1,000店で展開
いずれもイタリア家具の中心地であるブリアンツァ圏です。職人と下請けのネットワークが濃いこの土地で、生産を完結させています。
本社工場を設計したのは建築家
細かい話に聞こえるかもしれませんが、LEMAの工場は建築家Angelo Mangiarotti(アンジェロ・マンジャロッティ)が設計しています。工場に建築家を起用する——ここに、この会社の性格が出ています。
2. LEMAの主力は「収納」 — 何をつくる会社なのか
イタリア家具というと、まずソファやダイニングを思い浮かべる方が多いと思います。LEMAは少し違います。中心にあるのは収納・システム家具です。
- ワードローブ(クローゼット)
- モジュラー収納・本棚
- リビング/ベッドルーム/ダイニングの家具
公式には、イタリアで最初に統合家具システムを設計・生産した企業だと明記されています。バラバラの家具を並べるのではなく、壁面まるごとをひとつのシステムとして設計する——その考え方を早くから事業にしてきた会社です。
技術の核は2つだけ
LEMAを理解するうえで押さえるべきは、次の2点に尽きます。
- 側板支持の構造:棚を側板で支える構造を軸にしている
- 1cm単位のオーダー:寸法を1センチ刻みで合わせられる
この2つが組み合わさると、「壁の幅がいくつであっても、そこに合わせて成立する収納」が成り立ちます。冒頭の数センチの話が、ここで解決するわけです。
3. 代表作 — Lo Scaffale と Armadio al Centimetro
Lo Scaffale(ロ・スカッファーレ)
デザイナーはTito Agnoli(ティト・アニョーリ)。イタリアで初めて、側板支持のシェルビングを産業スケールで実現した製品とされています。棚といえば壁に金具で留めるか、箱を積むか——そういう時代に、側板で支える構造を工業製品として成立させた。LEMAの構造思想の原点です。
Armadio al Centimetro(アルマディオ・アル・チェンティメトロ)
1981年に登場した、LEMAの代名詞です。名前の意味はそのまま「センチメートル単位のワードローブ」。1cm刻みで寸法を指定できるワードローブで、40年以上にわたってこの会社の看板であり続けています。
既製サイズの中から「一番近いもの」を選ぶのではなく、その壁のための寸法を出す。言葉にすると単純ですが、これを工業生産のラインに乗せ続けるのは簡単なことではありません。
4. アートディレクションと、LEMAで失敗しない選び方
Piero Lissoniの30年、そしてA++へ
LEMAのアートディレクターは、1994年から2024年までの30年間、Piero Lissoni(ピエロ・リッソーニ)が務めました。現在はA++(Paolo ColomboとCarlo Colombo)が引き継いでいます。
付け加えると、LissoniはPORROとBOFFIのアートディレクターも務めています。イタリア家具のいくつかのブランドに共通する落ち着いた佇まいは、この人の存在で説明がつく部分があります。
参加デザイナー
Tito Agnoli、Piero Lissoni、Ferruccio Laviani、Neri&Hu、Norm Architects、Raw Edges、Tokujin Yoshioka(吉岡徳仁)、Chiara Andreatti、Christophe Pillet、Gordon Guillaumier、Roberto Lazzeroni、Studio Kairos。
選び方1:まず壁を測る、家具を選ぶのはその後
LEMAの価値は寸法合わせにあります。ですから順番が逆になりがちです。幅・高さ・奥行きに加えて、天井の梁、コンセント、窓枠、床の傾きまで先に把握しておくと、話が早く進みます。
選び方2:「今の持ち物」から中身を決める
ワードローブで後悔が出るのは、たいてい外側ではなく中身です。ハンガーにかける服の量、たたむ服の量、バッグの数——現状を棚卸ししてから内部構成を決めると、精度が上がります。
選び方3:納期は「目安」として押さえる
寸法を指定してつくる以上、既製品を在庫から出すのとは工程が異なります。納期はあくまで目安としてお伝えすることになりますので、お引っ越しやリフォームの予定がある場合は、その日程を最初に共有していただけると調整しやすくなります。
中津家具では採寸のご相談から搬入経路の確認、納品後のご相談まで一貫して承ります。お見積もりは個別に対応いたします。
5. 中津家具で レマ を選ぶメリット
中津家具は1957年創業の家具専門店として、2003年から欧州ルートで レマ を直輸入して販売しており、主要モデルを多数ご納品してきました。仕入れルートにより保証内容・納期・お取扱モデルが異なる場合がございますので、ご検討のモデルについては事前にご相談ください。
- 東京オフィス(青山・予約制)で、ご検討モデルについてご相談いただけます
- 中津ショールーム(大分)では、実際の現物をご覧いただけるアイテムがある時期もあります
- 張地・素材・サイズ選びから、搬入経路・納期のご確認まで一貫してサポートします
- 納品後の経年メンテナンス・お手入れのご相談にも対応します
▶ レマ の価格・納期を問い合わせる(無料・2営業日以内に回答)
よくあるご質問
Q. LEMA(レマ)はどこの国のブランドですか?
A. イタリアのブランドです。1970年にMeroni(メローニ)家が設立し、本社はコモ県のAlzate Brianza、第2工場はモンツァ・ブリアンツァ県のGiussanoにあります。いずれもイタリア家具の中心地であるブリアンツァ圏で、2拠点あわせて55,000㎡、従業員は250名を超え、65カ国・約1,000店で展開しています。
Q. 「Armadio al Centimetro」とは何ですか?
A. 直訳すると「センチメートル単位のワードローブ」で、1981年に登場したLEMAの代表作です。1cm刻みで寸法を指定できるワードローブで、40年以上にわたりこのブランドの看板であり続けています。既製サイズの中から近いものを選ぶのではなく、その壁に合わせた寸法でつくれる点が最大の特徴です。
Q. LEMAはどんな家具が得意ですか?
A. 収納・システム家具が主力です。ワードローブ、モジュラー収納、本棚を中心に、リビング・ベッドルーム・ダイニングの家具も手がけています。公式には、イタリアで最初に統合家具システムを設計・生産した企業と明記されています。技術の核は「側板支持の構造」と「1cm単位のオーダー」の2点です。
Q. LEMAのデザインは誰が手がけているのですか?
A. アートディレクターは1994年から2024年までの30年間Piero Lissoniが務め、現在はA++(Paolo ColomboとCarlo Colombo)が引き継いでいます。参加デザイナーにはTito Agnoli、Ferruccio Laviani、Neri&Hu、Norm Architects、Raw Edges、吉岡徳仁、Chiara Andreatti、Christophe Pillet、Gordon Guillaumier、Roberto Lazzeroni、Studio Kairosなどがいます。
Q. 中津家具で レマ を購入できますか?
A. はい。中津家具は1957年創業の家具専門店として、2003年から欧州ルートで レマ を直輸入して販売しており、Armadio al Centimetro など主要モデルをお取り扱いしています。仕入れルートにより保証内容・納期・お取扱モデルが異なる場合がございますので、ご検討のモデルについてはお気軽にお問い合わせください。