PORRO(ポロ)の家具を前にすると、多くの方が同じ反応をされます。「……シンプルですね」。その通りなのですが、この言葉には少し困ったところがあって、シンプルなものは写真でもシンプルに写るので、値段の理由が伝わりにくいのです。
ヒントは、このブランド自身の言葉にあります。公式にこう説明されています——「すべてのポロ製品は subtraction(引き算)の結果であり、漸進的な簡素化のプロセスから生まれる」。足してつくったのではなく、削り切った結果としてそう見えている。1925年に創業し、2025年で100周年を迎えたブランドの、これが芯の部分です。
この記事では、年に複数回イタリアに通ってきた立場から、PORROの何が評価されているのか、そして収納を検討するときに何を見るべきかを整理します。
1. PORROとは — 1925年、兄弟の工房から100年
PORRO(ポロ)は、1925年にGiulioとStefanoのPorro兄弟が最初の工房を設立したことに始まるイタリアの家具ブランドです。2025年に創業100周年を迎えました。
いまも創業の地にいる
拠点はイタリア・ブリアンツァのMontesolaro(コモ県カリマーテ)。創業地であり、現在の本社所在地でもあります。100年、同じ土地で。イタリアの家族経営の家具会社らしい話です。
4世代
- 創業:Giulio と Stefano の兄弟が工房を開く
- 戦後:2代目のCarlo、Arturo、Silvioが工業生産へ移行させる
- 現在:4代目のMaria、Giovanni、Giulio、Beatrice Porroが担う
工房から工場へ、そして現代のブランドへ。世代ごとに役割がはっきり分かれているのが、この会社の歩みです。
手がけるもの
収納システム(ワードローブ/ウォークインクローゼット)、本棚、ベッド、テーブル、チェア、ソファ。住まいをひと通りカバーしますが、看板は収納です。
2. 「引き算」という思想 — なぜあれほど簡素なのか
PORROの公式の言葉を、もう一度引きます。「すべてのポロ製品は subtraction(引き算)の結果であり、漸進的な簡素化のプロセスから生まれる」。
ここで大事なのは「漸進的な(少しずつの)」という部分です。最初からミニマルなものを描くのではなく、あるものを少しずつ削っていって、これ以上減らすと成立しない、というところで手を止める。デザインの結論ではなく、プロセスを言っているわけです。
公式が掲げるのは、形と機能の幾何学、そして形態の清潔さ。装飾がないのではなく、装飾が要らないところまで持っていった、と読むのが正確です。
そして、木
削り切ったあとに何が残るか。PORROの場合、それは木です。
- 豊富な樹種:選べる木の種類が広い
- 光沢/マットの塗装:仕上げの幅がある
- 木工技術:100年の蓄積がここに集まる
形で語ることをやめたぶん、素材と仕上げの精度が全部見える。簡素なデザインほど、ごまかしが利かない——PORROの価格を理解する鍵は、たぶんここにあります。
3. 代表作 — Storageと、100年分のモデルたち
Storage(ストレージ/2000年)
PORROの代名詞といえる収納システムです。Piero Lissoni と CRS Porro(社内デザインチーム)による2000年の製品。以来20年以上、このブランドの中心にあり続けています。
主なモデル
- Modern(1996年)/System(1996年)
- Ferro テーブル(1994年)
- Load-it 本棚(1995年/Wolfgang Tolk)
- Shinto ベッド(1992年)/Makura ベッド(2016年)/Byron ベッド(2020年)
- Sidewall・Groove(2007年)
- Neve チェア(2010年)/Romby チェア(2020年/GamFratesi)
- Boutique Mast(2015年)
- Linea(2023年/Alessandro Mendini)
アートディレクターとデザイナー
アートディレクターは1989年よりPiero Lissoni。30年をゆうに超える関係です。ちなみにLissoniはLEMA(1994〜2024年)とBOFFI(現任)のアートディレクターでもあります。イタリア家具のある種の静けさに、この人がどれだけ関わっているかがわかります。
参加デザイナーは、Piero Lissoni、Wolfgang Tolk、Alessandro Mendini、GamFratesi、Christophe Pillet、Jean-Marie Massaud、Front。そしてBruno Munari(ブルーノ・ムナーリ)——あのムナーリが、PORROのロゴとCubovoトロリーを手がけています。
4. PORROで失敗しない選び方 — 3つのポイント
1. 写真で判断しない
これに尽きます。引き算の結果として残るのは、樹種の表情と塗装の質感、そして木口の処理です。どれも写真では潰れる要素ばかりです。可能であれば、樹種と仕上げのサンプルを実際に見て、触れて決めてください。光沢とマットでは、同じ木でも別物に見えます。
2. 収納は「面」で考える
Storageのような収納システムを検討するなら、単体の家具としてではなく壁一面をどう扱うかから入るほうが早いです。幅・高さ・奥行きに加え、天井の梁、窓、コンセントの位置まで含めて考えると、完成形が見えてきます。
3. 長く使う前提で樹種を選ぶ
木の家具は、経年で色と艶が変わります。これは劣化ではなく変化ですが、樹種と塗装によって出方が違います。10年後どうなるかを確認したうえで選ぶと、納得が長持ちします。100年続いたブランドの家具を、数年で判断するのはもったいない話です。
中津家具では、樹種・仕上げの選定から搬入経路のご確認、納品後の経年のご相談まで一貫して承ります。お見積もりは個別に対応いたしますので、お気軽にご相談ください。
5. 中津家具で ポロ を選ぶメリット
中津家具は1957年創業の家具専門店として、2003年から欧州ルートで ポロ を直輸入して販売しており、主要モデルを多数ご納品してきました。仕入れルートにより保証内容・納期・お取扱モデルが異なる場合がございますので、ご検討のモデルについては事前にご相談ください。
- 東京事務所(青山・予約制)で、ご検討モデルについてご相談いただけます
- 中津本店(大分)では、実際の現物をご覧いただけるアイテムがある時期もあります
- 張地・素材・サイズ選びから、搬入経路・納期のご確認まで一貫してサポートします
- 納品後の経年メンテナンス・お手入れのご相談にも対応します
▶ ポロ の価格・納期を問い合わせる(無料・2営業日以内に回答)
よくあるご質問
Q. PORRO(ポロ)はどこの国のブランドですか?
A. イタリアのブランドです。1925年にGiulioとStefanoのPorro兄弟が最初の工房を設立し、2025年に創業100周年を迎えました。拠点はイタリア・ブリアンツァのMontesolaro(コモ県カリマーテ)で、創業の地が現在の本社所在地でもあります。現在は4代目のMaria、Giovanni、Giulio、Beatrice Porroが担っています。
Q. PORROのデザインはなぜシンプルなのですか?
A. 公式に「すべてのポロ製品は subtraction(引き算)の結果であり、漸進的な簡素化のプロセスから生まれる」と説明されています。最初からミニマルに描くのではなく、少しずつ削っていった結果としてあの姿になる、という考え方です。形と機能の幾何学、形態の清潔さを掲げており、装飾を削り切ったぶん、樹種の表情や塗装の精度が直接見えることになります。
Q. PORROのStorage(ストレージ)とは何ですか?
A. PORROの代名詞といえる収納システムで、Piero Lissoniと社内デザインチームCRS Porroによる2000年の製品です。以来20年以上にわたりブランドの中心にあり続けています。PORROは収納システム(ワードローブ/ウォークインクローゼット)、本棚、ベッド、テーブル、チェア、ソファを手がけていますが、看板は収納です。
Q. PORROのデザインは誰が手がけているのですか?
A. アートディレクターは1989年よりPiero Lissoniが務めています。参加デザイナーにはWolfgang Tolk、Alessandro Mendini、GamFratesi、Christophe Pillet、Jean-Marie Massaud、Frontなどがいます。またBruno Munariが、PORROのロゴとCubovoトロリーを手がけています。
Q. 中津家具で ポロ を購入できますか?
A. はい。中津家具は1957年創業の家具専門店として、2003年から欧州ルートで ポロ を直輸入して販売しており、Storage(ストレージ) など主要モデルをお取り扱いしています。仕入れルートにより保証内容・納期・お取扱モデルが異なる場合がございますので、ご検討のモデルについてはお気軽にお問い合わせください。