Pelle Frau®(ペレッレ・フラウ)は、Poltrona Frau が100年以上の歴史で培った独自のレザー技術を結集した、最高峰のレザーブランドのひとつです。Ferrari の革内装オプションや Maserati の内装にも採用されており、家具用レザーの中でも特別な存在として知られています。1957年創業の中津家具は2003年から欧州ルートで Poltrona Frau を取り扱ってきました。本記事では、Pelle Frau の製造工程、特徴、お手入れ方法を解説します。
Pelle Frau の歴史
Poltrona Frau は1912年にトリノで創業され、創業当初から革製品の質の高さで知られていました。創業者 Renzo Frau(1881-1926)の時代から続く革への徹底的なこだわりが基礎となり、戦後から近年にかけて整備された複数のグレード体系のもとで、現在の Pelle Frau® が体系化されています。1962年に中部マルケ州 Tolentino(トレンティーノ)に本社を移転して以降、ここで Pelle Frau のすべての加工・染色・仕上げが行われています。
Pelle Frau の素材選定
Pelle Frau に使用される革は、ヨーロッパ(南ドイツ・北イタリア・北欧)で飼育された若い去勢牡牛(taurillon)の革で、焼印を施していない傷の少ない皮(unbranded hide / brand-free hide)が選別されます。これらの地域は気候・飼育環境ともに優れており、傷や寄生虫の影響が少なく、繊維の均質性が高い革を生み出します。
Poltrona Frau は厳格な品質基準のもとで原皮を選別し、ヨーロッパ産最上級の原皮のみを Pelle Frau として採用しています。
Pelle Frau の鞣(なめ)し工程
Pelle Frau の鞣しはグレードにより異なります。最高級グレードの Cuoio Saddle Extra は、植物由来のタンニンとオイルだけで時間をかけてゆっくり鞣す完全植物タンニン鞣し(クロムフリー)を採用しており、革の繊維構造を保ったまま柔軟性と強度を長期間維持します。一方、Color System・Heritage・Soul・Nest・Century といったその他の主力グレードは、植物タンニンを併用した混合鞣し(クロム鞣しに植物タンニンによるリタンニング等を組み合わせる工程)を採用しており、グレードごとに最適な仕上がりを得ています。
いずれのグレードも、世代を超えて使い続けられるよう設計されており、適切なメンテナンスで長期間にわたって美しさを保つことができます。
Pelle Frau の染色と仕上げ
染色はアニリン系(透過染料)による浸透染めを採用したグレードがあり、表面コーティング型ではなく革の内部まで染料が浸透するため、表面が擦れても下地が露出しにくい特性があります。10年・20年と使い込むほどに、染料と革本来の油分が空気と反応して独特の艶(パティーナ)を生み出します。
仕上げは1枚ずつ職人が手作業で行います。これにより、同じカラーでも1点1点微妙な表情の違いが生まれ、世界に1つだけの家具になります。
Pelle Frau Color System — 多彩なカラー展開
Pelle Frau には多彩なカラーバリエーションがあります。Poltrona Frau 公式の「Pelle Frau Color System」というカラーパレットから選ぶことができ、当店ではサンプルをお取り寄せしてご確認いただけます(最新の正式色数は Poltrona Frau 公式カラーカードをご参照ください)。
カラーは大きく下記のカテゴリに分かれます。
- クラシック系:Black、Whisky、Tan、Brown など伝統色
- ナチュラル系:Sand、Cream、Ivory、Beige など淡色
- モダン系:Grey、Anthracite、Stone、Slate などグレースケール
- アクセント系:Red、Burgundy、Navy、Forest Green など差し色
Pelle Frau のお手入れ方法
Pelle Frau は革本来の油分を活かした仕上げのため、お手入れは比較的シンプルです。
- 日常:乾いた柔らかい布で軽く拭く。月1回程度
- 定期メンテナンス:年2回(春・秋)、専用クリームで全体を拭き上げる
- 乾燥対策:エアコン直下や直射日光は避ける。湿度40〜60%が理想
- シミ対策:水滴がついたら早めに乾いた布で吸い取る。油性のシミは早めに拭き取る
Pelle Frau の特徴(参考)
Pelle Frau は、家具用最高峰レザーのひとつとして以下のような特徴を備えています(他社の最高級レザーにも同等水準の工程を持つ製品はあります。商品選びの際は実物のサンプルをご確認ください)。
| 項目 | Pelle Frau の特徴 |
|---|---|
| 鞣し | グレードにより異なる(Cuoio Saddle Extra は完全植物タンニン鞣し、Color System 等は植物タンニンを併用した混合鞣し) |
| 染色 | アニリン系(透過染料)の浸透染めを採用するグレードあり |
| 仕上げ | 1枚ずつ職人の手作業仕上げ |
| 耐久性 | 世代を超えて使い続けられる長期耐久性(本国の Frau Atelier / Restoration Service による修復対応も可能) |
| 経年変化 | 使い込むほどに艶と深みが増し、独特のパティーナが育つ |
当店での Pelle Frau サンプル確認
東京オフィス(青山・予約制)・中津ショールーム(大分)では、Pelle Frau のサンプルをご確認いただけます。サンプルの貸し出しも可能で、自宅照明下での色確認を経て最終決定することをお勧めしています。中津家具は2003年から欧州ルートで直輸入して販売しております(仕入れルートにより保証内容・納期・お取扱モデルが異なる場合がございます)。