「ポルトローナフラウのソファが気になっているけれど、モデルが多くてどれを選べばいいのか分からない」——Poltrona Frau(ポルトローナ・フラウ)のソファをご検討中の方から、最も多くいただくご相談です。Pelle Frau® レザーと熟練職人の手仕事による長く使える家具として世界中の住宅で選ばれ続けているブランドだけに、クラシックからモダンまでモデルの幅が広く、選択肢の多さがそのまま迷いにつながります。
結論から言えば、クラシック志向なら Chester、モダン志向なら Archibald が出発点になります。ただし、それが自分の空間と暮らしに本当に合うかは、以下の6モデルの性格と選び方の視点を押さえてから判断してください。
本記事では、1957年創業の中津家具が2003年から欧州ルートで Poltrona Frau を取り扱ってきた納品経験をもとに、代表的なソファ6モデル(Chester / Chester One / Archibald / Massaud / Tower / Kennedee)の特徴と、それぞれが「どんな空間・どんな人」に向くのかを整理し、あわせてライフスタイル別・空間別の選び方までまとめました(最新ラインアップは Poltrona Frau 公式カタログをご参照ください)。
なお、ソファ選びはお客様のライフスタイル・空間・ご予算に応じて他ブランドも含めた比較検討をおすすめしております。ブランド自体の成り立ちは Poltrona Frau 完全ガイド、レザーの詳細は Pelle Frau レザーガイド をあわせてご覧ください。
ポルトローナフラウ ソファ 代表モデル早見表
まずは6モデルを一覧で。ポルトローナフラウのソファは「クラシックかモダンか」「主張が強いか控えめか」という2軸で捉えると、自分の空間に合う候補が絞り込めます。
| モデル | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| Chester(チェスター) | ダイヤモンド型キャピトネのクラシック・チェスターフィールド。天然素材の詰め物で座るほどに馴染む | クラシック・トラディショナルな空間をつくりたい方。書斎・応接室に一台据えたい方 |
| Chester One(チェスター・ワン) | Chester の現代版。フォルムを残しながらシートをコンパクト化 | チェスターフィールドが好きだが、現代の住宅サイズに合わせたい方 |
| Archibald(アーチバルド) | クラブチェアの輪郭を現代的に再解釈。アームチェア・ソファ・ダイニングチェアと展開 | リビングとダイニングを同じ世界観で揃えたい方 |
| Massaud(マッソー) | 控えめな造形で合わせやすく、リビング・書斎・応接室と汎用性が高い | 空間の主役を他のアイテムに譲りたい方。間取りに合わせて柔軟に考えたい方 |
| Tower(タワー) | エレガントなラインのスツール/サイドチェア。ソファと組み合わせて使う | 応接空間のコーディネートに自由度が欲しい方 |
| Kennedee(ケネディー) | 深いシートと低めのバック。重厚で存在感のあるラウンジソファ | リラックスを最優先したい方。ソファを空間の主役にしたい方 |
1. Chester(チェスター)— Renzo Frau, 1912〜1920年代
Poltrona Frau の創業期(1912年頃)から1920年代にかけて確立された、Frau 版クラシック・チェスターフィールド・ソファ。ダイヤモンド型のキャピトネ(capitonné/タフティング)仕上げと、内部の天然素材詰め物(馬毛・羊毛・植物繊維)が組み合わさり、座るほどに身体に馴染みます。20年・30年と使い込むことで深い艶を生む、まさに「育てる家具」の代表格です。
| サイズ展開 | 2人掛け / 3人掛け |
|---|---|
| シート高 | 約42〜43cm(仕様により変動。正確な寸法は Poltrona Frau 公式仕様書をご参照ください) |
| こんな方に | クラシック・トラディショナル空間、書斎、応接室 |
どんな空間・どんな人に向くか。書斎、応接室、天井高のあるリビングの一角など、クラシックな文脈を持つ空間で最も映えます。木部や本棚、絨毯といった重さのある要素と並べたとき、キャピトネの陰影が豊かに見えます。逆にミニマルな内装に一台だけ置くと浮くことがあり、その場合は Chester One や Archibald のほうが収まります。新品の均一な表情を保ちたい方より、自分の一台に育てていく過程を楽しみたい方に向きます。
他モデルとの違い。6モデルの中で唯一、デザインの出自が創業期にさかのぼります。他の5モデルが現代の造形であるのに対し、Chester はブランドの原点そのものです。
2. Chester One(チェスター・ワン)— Heritage Collection
Chester の現代版アップデートモデル(Poltrona Frau 社内デザインチームによる現代解釈、Heritage Collection として展開)。クラシックなチェスターフィールドのフォルムを残しながら、シートを少しコンパクト化し、現代の住宅に置きやすく調整されています。
どんな空間・どんな人に向くか。「チェスターフィールドを置きたいが、Chester だと少し大きい」という空間に応えるモデルです。シートがコンパクト化されている分、同じ面積の部屋でも通路や他の家具との間合いに余裕が生まれます。クラシックの佇まいは譲れないが、暮らしの実用性も同じくらい大事にしたい方に向きます。
他モデルとの違い。Chester とデザインの文法は同じチェスターフィールドで、寸法と現代の住宅への収まりを調整したのが Chester One。「クラシックかモダンか」ではなく、「クラシックを、どの寸法で選ぶか」という判断になります。
3. Archibald(アーチバルド)— Jean-Marie Massaud, 2009
Poltrona Frau の現代を代表するソファ。Massaud がクラシックなクラブチェアの輪郭を現代的に再解釈した、完成度の高いシリーズです。アームチェア、ソファ、ダイニングチェアと展開されており、当店のお客様の中では Archibald のダイニングチェアを8脚揃え、大型ダイニングテーブルとセットで導入されるケースが増えています。
どんな空間・どんな人に向くか。強みはシリーズ展開の広さです。アームチェア・ソファ・ダイニングチェアが揃うということは、リビングとダイニングが地続きの空間をひとつの世界観で統一できるということ。上記の8脚導入も、この考え方の延長線上にあります。単品ではなく空間全体の設計としてソファを選びたい方に向きます。現代的に整理された輪郭なので、モダンな内装にもクラシック寄りの内装にも橋を架けられます。
他モデルとの違い。同じ Massaud のデザインでも、Kennedee がくつろぎに全振りした一台であるのに対し、Archibald は端正で、空間を組み立てる言語として機能します。Chester のクラシックさと Massaud の控えめさの、ちょうど中間です。
4. Massaud(マッソー)— Jean-Marie Massaud
Jean-Marie Massaud によるソファ/アームチェアシリーズ。Massaud の Poltrona Frau 作品群(Archibald・Aster X・Kennedee 等)とともに、現代の Poltrona Frau を代表する造形のひとつです。リビング・書斎・応接室と汎用性が高く支持されています。
どんな空間・どんな人に向くか。リビング・書斎・応接室のいずれにも収まる汎用性は、裏返せば空間の主役を他に譲れるということ。眺めの良い窓、絵画、大きなテーブル——見せたいものが他にある空間で、Massaud は静かに土台を務めます。ソファに自己主張を求めていない方に向き、20〜30年という時間軸では、この「合わせやすさ」が想像以上に効いてきます。
他モデルとの違い。6モデルの中で最も主張が控えめです。存在感で選ぶなら Kennedee や Chester、調和で選ぶなら Massaud、という整理ができます。
5. Tower(タワー)— Jean-Marie Massaud
Jean-Marie Massaud がデザインした、エレガントなラインのスツール/サイドチェア。ソファとセットで応接空間に配置するなど、コーディネートの自由度が高い1脚です(最新ラインアップは Poltrona Frau 公式サイトをご参照ください)。
どんな空間・どんな人に向くか。Tower はソファそのものではなく、ソファのある空間を完成させるための一脚です。ソファだけで席をつくろうとすると配置が硬直しがちですが、軽やかに動かせる一脚があるだけで、来客時の座り方の選択肢が広がります。お客様を迎える機会が多い方や、その日の使い方に応じて空間の形を変えたい方に。
他モデルとの違い。他の5モデルとは役割が異なり、Tower は主役ではなく編集役です。どのソファを選んだ場合でも組み合わせの候補になります。
6. Kennedee(ケネディー)— Jean-Marie Massaud, 2007
1960年代のミッドセンチュリー・アメリカン・モダンを彷彿とさせる重厚なラウンジソファ。深いシートと低めのバックが特徴で、リラックスを最重視する空間にぴったりです。
どんな空間・どんな人に向くか。深いシートと低めのバックという構成は、「浅く腰かけて話す」のではなく「深く沈んで過ごす」ための設計です。低めのバックは視界を遮らないため、窓の外の景色や広いリビングの奥行きを殺しません。ソファに求めるものが第一に「くつろぎ」である方に向きます。逆に、姿勢を正して応対する場面が多い部屋では、その深さが扱いにくく感じられることもあります。
他モデルとの違い。6モデルの中で Massaud とちょうど対極です。控えめな Massaud に対し、Kennedee は空間の側が合わせにいく一台。同じ Jean-Marie Massaud のデザインでありながら、これだけ性格が振れます。
ポルトローナフラウのソファの選び方 — 6つの視点
実際のご相談では「どのモデルか」から入るより、「どの視点で判断するか」を先に決めたほうが、早く納得のいく一台にたどり着きます。押さえておきたい6つの視点を整理します。
① クラシックかモダンか — 空間の文法を決める
最初の分岐点はここです。Chester はクラシック、Archibald や Massaud はモダン。Chester One はその中間に位置づけられます。すでにお持ちの家具、床材や建具の色、窓から入る光——ソファ単体ではなく、それらとの関係で決めていくのが失敗の少ない進め方です。
② ソファの主張度 — 主役にするか、土台にするか
Kennedee は重厚で存在感が強く、Massaud は控えめで合わせやすい。この振れ幅の中で、見せたいものが他にある空間(眺望、アート、大きなテーブル)なら控えめな造形を、ソファを中心に部屋をまとめたいなら存在感のある造形を選びます。ここを曖昧にしたまま進めると、納品後に「思ったより効きすぎた/物足りない」となりがちです。
③ ライフスタイルから選ぶ — その部屋で何をして過ごすか
深く沈んで映画を観たり本を読んだりする時間が中心なら、深いシートと低めのバックを持つ Kennedee のような設計が応えてくれます。来客を迎えて話す機会が多いなら、深すぎないモデルのほうが扱いやすい。書斎に据えるなら Chester、応接の場をつくるなら Tower を組み合わせる——用途がモデルを絞り込んでくれます。
④ 空間から選ぶ — 寸法とシート高の現実
シート高はおおむね約40〜43cm(Chester は約42〜43cm、仕様により変動)。座り慣れた高さに近いものを選ぶのが基本です(正確な座面高は Poltrona Frau 公式仕様書をご参照ください)。部屋の面積だけでなく通路の幅や他の家具との間合いまで確認を。「置けるか」と「気持ちよく暮らせるか」は別の問題です。
⑤ 張地(Pelle Frau®)の考え方 — 色は必ず自宅の光で確認する
Pelle Frau Color System で多彩なカラーから選択可能です。ここでひとつだけ——革の色は、必ず自宅照明下での確認を。ショールームの照明とご自宅の光は違い、昼間の自然光と夜の照明でも見え方は変わります。この確認を省いた「思っていた色と違う」は、避けられるミスマッチです。
⑥ ライフタイム視点 — 20〜30年という時間軸で考える
Poltrona Frau のソファは20〜30年使う前提で選ぶものです(本国の Frau Atelier / Restoration Service を活用すれば、さらに長く使い続けることも可能)。Chester の詰め物が身体に馴染む過程も、革が艶を深める過程も、この単位で初めて意味を持ちます。「今いちばん気に入ったもの」と「20年後も気に入っていられるもの」が重なる一台を探すことが、ソファ選びの本質だと考えています。
当店のサポート
中津家具は2003年から欧州ルートで直輸入して販売しており、仕入れルートにより保証内容・納期・お取扱モデルが異なる場合がございます。ご検討中のモデルについては、お気軽にお問い合わせください。
- 納品時の組立・設置・梱包材回収
- Pelle Frau® のケア・修理・修復に関するご相談
- モデル選び・張地選び・搬入経路のご確認まで一貫してご相談いただけます
- 価格は仕様の構成により大きく変わるため、個別お見積もりでご案内しています
納期は仕様やお取扱モデルにより異なります。目安としてご案内したうえで、ご希望の時期から逆算して進めてまいります。
よくある質問
Q. Poltrona Frau の代表的なソファは何ですか?
A. Chester と Archibald が代表的なモデルです。クラシック志向なら Chester、モダン志向なら Archibald がよく選ばれます。このほか Chester One、Massaud、Tower、Kennedee が代表的なラインアップとして挙げられます(最新ラインアップは Poltrona Frau 公式カタログをご参照ください)。
Q. Chester と Chester One は何が違いますか?
A. Chester は Poltrona Frau の創業期(1912年頃)から1920年代にかけて確立されたクラシック・チェスターフィールド・ソファです。Chester One はその現代版アップデートモデルで、Heritage Collection として展開されています。クラシックなチェスターフィールドのフォルムを残しながらシートを少しコンパクト化しており、現代の住宅に置きやすく調整されている点が違いです。
Q. Archibald と Kennedee はどちらを選べばよいですか?
A. いずれも Jean-Marie Massaud のデザインですが、性格が異なります。Archibald(2009年)はクラシックなクラブチェアの輪郭を現代的に再解釈したシリーズで、アームチェア・ソファ・ダイニングチェアと展開があるため、空間を同じ世界観で揃えたい方に向きます。Kennedee(2007年)は深いシートと低めのバックが特徴の重厚なラウンジソファで、リラックスを最重視する空間に向いています。
Q. ポルトローナフラウのソファのシート高はどれくらいですか?
A. おおむね約40〜43cm が目安です。Chester の場合はシート高 約42〜43cm(仕様により変動)となります。座り慣れた高さに近いものを選ぶと失敗が少なくなります。正確な座面高はモデル・仕様により異なりますので、Poltrona Frau 公式仕様書をご参照ください。
Q. Pelle Frau のカラー変更は可能ですか?
A. ご注文時に Pelle Frau Color System で多彩なカラーから選択可能です(最新の正式色数は Poltrona Frau 公式カラーカードをご参照ください)。革の色は照明で見え方が変わるため、自宅照明下での確認をおすすめしています。納品後のケアやリフィニッシュについてもお気軽にご相談ください。
Q. Chester のメンテナンスは大変ですか?
A. 年2回の専用クリームでの拭き上げが目安です。具体的なケア方法についてはご購入時にご案内します。
Q. ソファの修復はどれくらいで対応してもらえますか?
A. 修復内容によって期間は変動します。革ケア・補修・部分張替えなどについてはまずご相談ください。本国の Frau Atelier / Restoration Service を活用すれば、さらに長く使い続けることも可能です。