いまどきのキッチンに、取っ手がないのはなぜでしょう。ショールームで扉に手をかけて、あれ、どこを持てばいいんだろう——と一瞬とまどう、あの感じ。今では珍しくもありませんが、誰かが最初にやらなければ、そうはなっていません。
その最初をやったのがBOFFI(ボッフィ)です。1972年のXila(シーラ)というモデルを、公式に「the first kitchen available without handle(取っ手なしで手に入る最初のキッチン)」と説明しています。今日ほとんど当たり前になった風景の、出発点にいたブランドです。
この記事では、年に複数回イタリアに通ってきた立場から、BOFFIとはどういう会社なのか、そしてキッチンを検討するときに何を見るべきかを整理します。
1. BOFFIとは — 1934年、ある職人が毎晩続けた実験から
BOFFI(ボッフィ)は、1934年にPiero Boffi(ピエロ・ボッフィ)が創業したイタリアのブランドです。最初の工場は、モンツァ・ブリアンツァ県のCesano Maderno(チェザーノ・マデルノ)に置かれました。
創業前夜
公式によれば、Piero BoffiはCaproni(カプロニ)の工場で職人として働いていました。そして毎晩、実験を重ねた末に自分の会社を立ち上げています。航空機の工場で身につけた手と目が出発点にある——のちの素材研究へのこだわりを思うと、ここは無視できない話です。
その後、息子のPier Ugo、Dino、Paoloが参画し、家業として続いていきます。
何をつくっているか
- キッチン(中核)
- バスルーム
- ウォークイン/システム収納
- 照明・ミラー・シェルフといった補完アイテム
中心にあるのは一貫してキッチンです。そこから水まわり、収納へと領域を広げてきた構図になります。
2. Xila — 取っ手をなくした最初のキッチン
BOFFIを語るとき、最初に出てくるのがXila(シーラ)です。デザイナーはLuigi Massoni(ルイジ・マッソーニ)、1972年の製品。公式に「the first kitchen available without handle」——取っ手なしで手に入る最初のキッチンだと位置づけられています。
どうやって取っ手をなくしたか
Xilaが採ったのはアルミのハンドルレール方式です。扉の縁にレールを通し、そこに手をかけて開ける。突起としての取っ手を、面と面のあいだの線に置き換えたわけです。
結果として何が起きるか。キッチンの正面が連続した平らな面になります。引っかかるものがなくなり、掃除が楽になり、そして何より、キッチンが「設備」ではなく室内の一部に見えてくる。リビングとキッチンがつながった住まいが当たり前になった今、この発想がどれだけ効いているかは、説明するまでもないかもしれません。
Minikitchen — もうひとつの原点
Xilaより前、1963年にJoe Colombo(ジョエ・コロンボ)が手がけたMinikitchen(ミニキッチン)があります。キッチンをひとつの塊に凝縮した製品で、Xilaとあわせて、BOFFIが早い段階から「キッチンとは何か」を問い直してきたことを示す作品です。
3. モデルの広がりと、素材への執着
主なモデル
- Salinas(Patricia Urquiola)
- K14・K2/K3/K4・K21(Norbert Wangen)
- XO(Elisa Ossino)
- XPL、Combine Evolution、Open、Case 5.0
- Aprile、Novanta、Programma Standard
素材研究
BOFFIが手を入れ続けてきたのが素材です。塗装エッチングガラス、アルミ、高純度鉱物複合材MDI——キッチンという、水と熱と油に毎日さらされる場所に何を使うか。この問いに、創業者の「毎晩の実験」からずっと向き合ってきたブランドだと言えます。
Boffi|DePadova という体制
2015年、BOFFIはDe Padova(デ・パドヴァ)と統合し、Boffi|DePadova となりました。さらにMA/U Studio(2017年)、ADL(2019年)を統合しています。キッチンだけの会社から、住まい全体を提案できるグループへ——という流れです。
アートディレクター
現在のアートディレクターはPiero Lissoni。歴代ではLuigi Massoni(60年代にデザイナー兼ADとして最初期のモジュラーシステムを制作)、Antonio Citterioが務めました。Xilaを設計したMassoni自身がADでもあった、という点は面白いところです。
参加デザイナーには、Antonio Citterio、Claudio Silvestrin、Claesson Koivisto Rune、Elisa Ossino、Davide Groppi、Alberto Colonello、Alessandro Andreucci & Christian Hoisl、C.R.S Boffi、そしてZaha Hadidの名前があります。
4. BOFFIで失敗しない選び方 — 3つのポイント
1. キッチンは「家具」ではなく「工事」だと考える
ソファやテーブルと決定的に違うのは、キッチンが給排水・電気・ガス・換気と一体だという点です。デザインが気に入っても、設備側の条件で成立しないことがあります。ご検討の際は、間取り図と設備の位置がわかる資料を早い段階でご用意いただくと、話が具体的になります。
2. ハンドルレスの使い勝手を、実物で確かめる
取っ手のない面は美しい。ただし、開け方は取っ手のあるキッチンとは違います。手が濡れているとき、料理中に肘で開けたいとき——こういう場面の感触は、写真では絶対にわかりません。可能な限り現物で試すことをお勧めします。
3. 素材は「10年後」で選ぶ
キッチンは毎日水と熱を受ける場所です。ガラス、アルミ、複合材——それぞれ経年の出方が違います。新品の見た目だけでなく、数年使ったときどうなるかを聞いたうえで決めると、後悔が出にくくなります。
中津家具では、モデル選びから搬入経路のご確認、納品後のご相談まで承ります。お見積もりは個別に対応いたしますので、お気軽にご相談ください。
5. 中津家具で ボッフィ を選ぶメリット
中津家具は1957年創業の家具専門店として、2003年から欧州ルートで ボッフィ を直輸入して販売しており、主要モデルを多数ご納品してきました。仕入れルートにより保証内容・納期・お取扱モデルが異なる場合がございますので、ご検討のモデルについては事前にご相談ください。
- 東京オフィス(青山・予約制)で、ご検討モデルについてご相談いただけます
- 中津ショールーム(大分)では、実際の現物をご覧いただけるアイテムがある時期もあります
- 張地・素材・サイズ選びから、搬入経路・納期のご確認まで一貫してサポートします
- 納品後の経年メンテナンス・お手入れのご相談にも対応します
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よくあるご質問
Q. BOFFI(ボッフィ)はどこの国のブランドですか?
A. イタリアのブランドです。1934年にPiero Boffiが創業し、最初の工場はモンツァ・ブリアンツァ県のCesano Madernoに置かれました。公式によれば、創業者はCaproniの工場で職人として働いたのち、毎晩実験を重ねて自身の会社を立ち上げています。その後、息子のPier Ugo、Dino、Paoloが参画しました。
Q. BOFFIのXila(シーラ)とは何ですか?
A. Luigi Massoniが手がけた1972年のキッチンで、公式に「the first kitchen available without handle(取っ手なしで手に入る最初のキッチン)」と位置づけられています。アルミのハンドルレール方式を採用し、扉の縁のレールに手をかけて開ける仕組みです。突起としての取っ手がなくなることで、キッチンの正面が連続した平らな面になります。
Q. BOFFIはキッチン以外もつくっていますか?
A. キッチンが中核ですが、バスルーム、ウォークイン/システム収納、そして照明・ミラー・シェルフといった補完アイテムも手がけています。また2015年にDe Padovaと統合してBoffi|DePadovaとなり、さらにMA/U Studio(2017年)、ADL(2019年)を統合しました。
Q. BOFFIのデザインは誰が手がけているのですか?
A. 現在のアートディレクターはPiero Lissoniです。歴代ではLuigi Massoni(60年代にデザイナー兼アートディレクターとして最初期のモジュラーシステムを制作)、Antonio Citterioが務めました。ほかにJoe Colombo、Patricia Urquiola、Norbert Wangen、Elisa Ossino、Claudio Silvestrin、Claesson Koivisto Rune、Zaha Hadidなどが参加しています。
Q. 中津家具で ボッフィ を購入できますか?
A. はい。中津家具は1957年創業の家具専門店として、2003年から欧州ルートで ボッフィ を直輸入して販売しており、Xila(シーラ) など主要モデルをお取り扱いしています。仕入れルートにより保証内容・納期・お取扱モデルが異なる場合がございますので、ご検討のモデルについてはお気軽にお問い合わせください。