LC2(エル・シー・ツー)は、ル・コルビュジエ、ピエール・ジャンヌレ、シャルロット・ペリアンの3人が1928年に共同設計した、20世紀近代家具の象徴的な作品です。当初の正式名称は 「Grand Confort, petit modèle(グラン・コンフォール プチ・モデル)」。「大いなる快適、小型版」を意味する直訳の通り、近代モダニズムにおいて「人が安らぐための形」を初めて構造的に提示した作品の一つとされています。
本記事では、LC2 の誕生背景、デザインの核となった革新、現行モデルの選び方、合わせるテーブル・ラグまでを、2003年から欧州ルートで Cassina をはじめイタリア家具を直輸入してきた中津家具が、実務目線で解説します。Cassina というブランド全体の歴史・代表モデルから知りたい方はカッシーナ(Cassina)完全ガイドを、LC2 以外の名作チェアも比較したい方はカッシーナ チェア名作5選もあわせてご覧ください。
1. LC2とは何か — 1928年に生まれた近代家具の象徴
LC2 は、ル・コルビュジエ(Le Corbusier, 1887-1965)、ピエール・ジャンヌレ(Pierre Jeanneret, 1896-1967)、シャルロット・ペリアン(Charlotte Perriand, 1903-1999)の3人が1928年に共同設計し、1929年のサロン・ドートンヌ(Salon d'Automne)でパリで初公開されたアームチェアです。設計の当初は、ル・コルビュジエが設計したパリ郊外の「Villa Church(ヴィラ・チャーチ)」のための家具として企画されました。
正規生産化までは長い時間を要し、Cassina が1964年10月にル・コルビュジエ財団との独占ライセンス契約を締結、1965年から「I Maestri」コレクションの一環として正規生産を開始します。以降一貫して Cassina が正規品を生産・流通しており、世界中の建築家・コレクターに愛されています。なお2022年には製品名が "Fauteuil Grand Confort, petit modèle" に改められ、デザイン本来の名称に回帰しました。
2. デザインの核 — 「クッションをフレームに収める」革新
LC2 の最大の発明は、金属フレームとクッションの完全分離構造です。それまでのソファは木製フレームと布張り(あるいは革張り)が一体化しており、修理・交換が困難でした。
LC2 は、クロムメッキされた角型金属管のフレームを「外骨格」とし、座面・背面・両肘掛けのクッションを独立して収める設計に転換しました。クッションだけ取り外せる構造により、メンテナンス性が劇的に向上し、損耗したパーツだけを交換できる思想が生まれました。「機械の家(machine for living)」を提唱したル・コルビュジエの思想が、家具に直接落とし込まれた最初の作品の一つです。
3. ラインアップ — 1人掛け / 2人掛け / 3人掛け
LC2 は1人掛けアームチェアを基本に、2人掛け・3人掛けのソファ展開があります。1人掛けの寸法は概ね幅76cm・奥行70cm・高さ67cm前後で、座面高は40cm前後です。2人掛け・3人掛けは1人掛けを横に並べた構造のため、奥行・高さ・座面高は同じで、幅のみが拡張されます。3人掛けの仕様詳細はLC2(Fauteuil Grand Confort, petit modèle)3人掛の商品ページをご覧ください。
座面高40cm前後は 「座る」というより「身を任せる」感覚を生む数値で、1928年の設計当初から大きく変わっていません。最新の正確な寸法は Cassina 公式カタログをご参照ください。
4. 素材・カラー展開
レザー
Cassina 指定のレザーをナチュラル系・ダーク系・カラー系から選択できます。革は経年でしなやかさが増し、独特の深みを帯びていきます。
ファブリック
Maharam、Kvadrat、Cassina専用ファブリックなど多数のラインアップから選択可能。お子様のいるご家庭や、定期的にカバーをクリーニングしたい方には、カバーリング可能なファブリックモデルが向いています。
フレーム
クロムメッキ(光沢)、塗装仕上げ(マットブラック/マットホワイトなど)、ブロンズ仕上げから選択できます。建築的なミニマル空間にはクロムメッキ、温かみのあるインテリアにはブロンズ、現代的でモノトーン寄りの空間にはマット塗装が、それぞれよく合います。
5. 空間別レイアウト実例
マンション(60〜80m²)
1人掛け × 2脚 + ローテーブル(LC10-P または LC11-P)のL字配置。リビング8畳に収まり、コンパクトながらモダニズムの空気をまとった空間が完成します。
戸建(20畳LDK)
3人掛け + 1人掛け × 1脚 + LC4(シェーズロング)の3点セットで、ル・コルビュジエ作品の集大成空間に。テレビ正面に3人掛け、サイドに1人掛け、窓際に LC4 という配置が定番です。
ホテル・オフィス
1人掛け × 4〜6脚をロビーに配置する構成も Cassina の定番採用パターン。クロムメッキの存在感が、空間に格を与えます。
合わせるテーブルは、同じLe Corbusier シリーズの LC6(ガラス天板ダイニング)、LC10-P(無垢材ローテーブル)、LC11-P(さらに低めのコーヒーテーブル) が定番です。ラグは長毛のウールラグで LC2 のクロムメッキとの素材コントラストを作るのが代表的なコーディネートとなります。
6. 価格と納期について
LC2 の価格は、為替・素材グレード・カラー・フレーム仕上げで大きく変動します。中津家具では 2003年から欧州ルートで直輸入して販売しており、仕入れルートにより保証内容・納期・お取扱モデルが異なる場合がございます。具体的なご予算感は、ご希望のサイズ(1/2/3人掛け)・素材・色をお知らせいただければ 個別にお見積もり させていただきます。Cassina 全体のモデル別・素材別の価格感を先に把握したい方は、【2026年版】カッシーナ価格相場ガイドもご参照ください。
標準的な納期はイタリア工場製作 + 海上輸送を含めて 3〜6か月 が目安です。新築・リフォーム時の搬入をご希望の場合は、着工の6か月前のご相談が理想です。
7. よくあるご質問
Q. LC2とLC3の違いは何ですか?
LC2 は petit modèle(プチ・モデル/小型版)と呼ばれる通り、Grand Confort シリーズのコンパクト版です。LC3 は同じ Grand Confort シリーズで、座面・背面・サイドが LC2 よりひと回り大きく、より深く腰掛けられる、ゆったり寛ぐための大型版です。スッキリとした印象の LC2、包み込まれるような包容感の LC3 という棲み分けです。
Q. LC2の正規Cassina生産はいつから始まりましたか?
Cassina は1964年10月にル・コルビュジエ財団との独占ライセンス契約を締結し、1965年から「I Maestri」コレクションの一環として LC2(Grand Confort, petit modèle)の正規生産を開始しました。以降一貫して Cassina が正規品を生産・流通しています。2022年には製品名が Fauteuil Grand Confort, petit modèle に改められ、デザインのオリジナル名称に回帰しました。
Q. クッションのへたりが気になります。交換できますか?
Cassina 純正のクッション交換は可能で、イタリアからのお取り寄せにて中津家具で承ります。具体的な状態確認と交換納期・お見積もりは、ご使用年数・モデル・お住まいの環境を伺った上で個別にご案内いたします。
Q. LC2の価格はいくらですか?
為替・素材グレード(レザー/ファブリック)・カラー・フレーム仕上げ(クロムメッキ/塗装/ブロンズ)で大きく変動するため、個別にお見積もりさせていただきます。中津家具は2003年から欧州ルートで直輸入して販売しており、仕入れルートにより保証内容・納期・お取扱モデルが異なる場合がございます。
Q. 合わせるテーブル・ラグはどう選べばよいですか?
テーブルは同じLeコレクションの LC6(ガラス天板)、LC10-P(無垢材)、LC11-P(ローテーブル)が定番の組み合わせです。ラグは長毛のウールラグでLC2のクロムメッキとの素材コントラストを作るのが代表的なコーディネートです。中津家具で図面段階からシミュレーションいたします。
Q. 新築・リフォームに合わせて納品できますか?
はい、可能です。素材選定 → 仕様確定 → 製作 → 輸送 → 通関 → 設置までを含めて3〜6か月見ていただければ、お引き渡しに合わせた納品計画を立てられます。図面段階からご相談ください。
Q. 中津家具で買うメリットは何ですか?
素材サンプルのお取り寄せ、図面段階からの配置シミュレーション、東京オフィス(青山・予約制)・中津ショールーム(大分)の2拠点での個別相談、長期メンテナンス対応など、納品後を見据えたサポートが中津家具の強みです。中津家具は2003年から欧州ルートで直輸入して販売しており、仕入れルートにより保証内容・納期・お取扱モデルが異なる場合がございます。